貧乳・微乳

◇ ――甘く歪んだ、二人だけの主従関係 ◇明治時代から続いている老舗商家・粟飯原財閥。その一人息子「粟飯原 尊臣（たかおみ）」 の世話役兼教育係として、新人メイドの「丹沢あまね」 は仕えていた。聡明で柔らかな物腰と芯の強さを持つ尊臣は、年下とは思えぬ魅力で周囲を惹きつける主人だった。ある日、暗い表情の尊臣を心配したあまねが声をかけると、尊臣は父から告げられた政略結婚の話を打ち明ける。「まだ先の話なのに将来のお嫁さんのことなんて…！」「しかも政略結婚なんて…ぼくは間違ってると思う…！！」旦那様――父から粟飯原家の跡継ぎの話を受け、悶々としている様子の尊臣。年相応の感性に驚きと愛おしさを感じていると、尊臣がぽつりと呟く。「ぼくは……結婚するならあまねがいい」「あまね ぼくと結婚しよう」そして月日は流れ、6年後――かつての「結婚の約束」を本気で信じ続け、毎日のようにあまねに返事を求める尊臣。それが日常となったある日、業務後に部屋に来てほしいと呼び出されたあまねは、信頼する主人への無防備さから、懐かしさを感じつつ部屋を訪れる。「君がいつまでも素直になってくれないから――」だが、そこで尊臣が突き...