鈍色に染まる

「可哀想になぁ… うちに来るか?」
ある雨の日のこと。
彫師の狼煙（ローエン）は、路地裏で傘も差さずひとり佇んでいる女・美行（メイアン）と出会う。
帰る場所もなく途方に暮れていた彼女に、狼煙はあることを条件に家に招きいれることに――
「姉ちゃんごめん…」
一時の過ちからはじまった、姉弟の禁断の関係――。
期限付きでカラダの関係になることを許した姉の都（みやこ）と、そんな姉を激しく愛する弟の京介（きょうすけ）。
愛し合ってはいけないふたりが、本能の赴くままに……。
孤独を紛らわせるために彼女たちは、何度も何度も身体を重ねる――
儚げなヒロインたちの危うさと美しさが詰まった短編集。
※本作品は単行本『退路なき熱【単行本版】』と一部内容が重複しております。重複購入にご注意ください。
＜収録作品＞
退路なき熱
退路なき熱後日譚
惜春の情
蓮華往生
がるまに限定描き下ろし表紙ラフ案
「蓮華往生」設定資料集