悲しみを見つけた後に
人外が主人公のファンタジー。舞台はイギリス。時代十八世紀 女主人公 恋愛なし。 架空の戦争の後の話 主人公 戦後孤児となった粒獣の女の子。 二階の一室に衣装室を見つけた。クローゼットを開けると、詰め込まれたドレスが見つかった。ダイヤモンドがちりばめられているドレスに目を付け、ダイヤモンドを無造作にむしりとり、布袋に入れる。クローゼットの隣には、帽子掛けがあった。棒の左右にいくつもの出っ張りがついていて、そこに様々な色や形の帽子がかけられている。真珠や孔雀の羽根をむしりとり、それも布袋に入れる。 鏡台の上には小物入れが置いてあり、中を開けると、細い鎖で繋がれたダイヤモンドの粒や宝石をはめ込んだペンダント、イヤリングが入っていた。蓋を閉めて、箱ごと布袋へ入れる。 部屋の窓を開けて、そのまま飛び降りる。芝生の地面を転がり受け身を取ると、そのまま走り出した。 あたりは真っ暗で視界がよくないが、ブナと菩提樹の並木道に沿えば出られる。 半分ほど行った所で道を逸れて、木々に隠れながら出口を目指す。入ったときも門から入らず塀を飛び越えた。 「待て!」真冬だというのに、暖炉には火どころか石炭さえ...
