散華・秋葉編~花は彼女を想い、そして散り逝く~
「あの頃と同じように、こうしてぎゅっとできる。 手を伸ばせば、貴女が隣にいてくれる。 あたし、それだけで安心できるんだ」…花は美しく咲き誇り、そして儚く散り逝くだろう。これは懸命に心生きた者達の、愛と別れの物語――。3部作で送る、切ない恋を描いたシチュエーションボイスドラマ。第二弾、秋葉(あきは)編。 この世界は瘴気の毒であふれていた。 それを吸うだけで人の身体は焼けるように穢されて、瞬く間に命に関わるほどの汚染体となってしまう。 これは遥か昔に大地の神・地母神の怒りを人間が買った、神罰の為であった。 しかし、地母神も完全に人を見捨てた訳ではない。 それが【花人】という瘴気を浄化できる女性と、花人が人の中から選定して成るという【種人】の存在。 地母神が人に与えた唯一のお慈悲である。 だから人々は今、 瘴気という神罰の名の下で毒に怯えながら、花人が生まれる場所に集落をつくり、限られた範囲の中で生活をしていた。 花人が20年ごとに行うという【大浄化の儀】を待望としながら――。 貴女は花人だ。 花人として「開花」を迎えた貴女は、これから5日間をかけて瘴気を取り込み、村の人間の為に瘴気を浄化す...