
【KU100】弓月という娼年
_天国でも地獄なく、ただあの人(お父様)のもとに堕ちたいー独白ー最後に覚えているのは、その部屋がもう自分の居場所ではない、ということ。この手にある鍵は、もう扉を開けることはできない。あてもなくさまよって、ふと夜空を見上げるとまた三日月を見ると、昔よく聞かれされた物語・・・月のお姫様が、罪を犯して地球へとやってくるお話しを思い出す。そのお姫様は、結局なんの罪を犯したかはわからない。幾人もの男たちからの浅ましい欲望からくる求婚を断り、最後には月へ帰っていくお話。俺の前にもそういった男たちがいた。姫とは違って、俺は沢山の人の欲望をこの胎で受け止めたけど、みんな流れてしまった。そうしていつの間にかいなくなったーでも、あの人だけが俺の前に留まって、愛を注ぎ続けてくれた。そして名前をくれたー「弓月」という名をーメス堕ち4収録の小説&ボイスドラマ「弓月という娼年」が、弓月視点での朗読シチュボになりました!誠二の人生を狂わせたきっかけとなった、娼年「弓月」。4では誠二視点での小説でしたが、この度なんと弓月視点の朗読シチュエーションボイス作品になりました。彼の生きた半生やその心情、最期に何を思って誠二の...