勇者は魔王を倒した。しかし、その倒し方を咎められ、罪を被った勇者ラウル。その付き添いの私には、何も罰がくだらなかった。それはおかしいと思い、王様にお願いに行くと・・・。二人で添い遂げましょう・・・。私は、ラウル様と共に往きます――。
勇者は魔王を倒した。
しかし、その倒し方を咎められ、罪を被った勇者ラウル。
その付き添いの私には、何も罰がくだらなかった。
それはおかしいと思い、王様にお願いに行くと・・・。
二人で添い遂げましょう・・・。
私は、ラウル様と共に往きます――。32P、PDF。「追放された勇者を慰める」
「お前はエイウラ地方へ行け! そこで一生暮らせ!」
そう、王様に言われて、勇者・ラウルは、エイウラ地方という寂れた暗黒の地方への追放が決まった。
「はあ……。魔王の倒し方で、こんなことになるなんて」
彼は、魔王を街に誘き出して倒したのだった。しかし、それなりの犠牲はあった。
「仕方のないことだと思います。誰かに責任を押し付けないと、誰も怒りの捌け口がないのです」
これは私、ウェンディだった。
「ウェンディ。お前は、ここで、平和に暮らせ。お前は罰の中には含まれていない」
「いいえ。私はついていきます。同じパーティで、ずっとやってきたじゃないですか。それに、その街へ誘き出す作戦は、私の案でもあります。私も、罰を受ける覚悟があります。それよりも、私も罰を受けなければ、おかしいです」
そうなのだ。街へ誘き出して、倒すというのは、私の案だったのだ。
「だが、エイウラ地方は、住みづらい。魔物もウヨウヨしている。死ぬかもしれない」
「いいんです。ラウル様と一緒に死ぬのなら」
「だめだ!! お前は残れ! 決して、来るな!!」
―――つづきは本編で。