




政略で皇帝レオニスに嫁いだフィオナは、三年間、名ばかりの皇后として静かに役目を果たしてきた。夫婦らしい触れ合いは一度もなく、彼の心に自分はいないと思い込んだ彼女は、契約期限を前に「白い離婚」を申し出る。ところが冷徹な皇帝は、その瞬間だけ氷の仮面を崩した。「俺がどれだけ我慢していたと思う」契約で始まった結婚が、甘い囲い込みと本音によって本物の夫婦へ変わっていく王宮ラブコメロマンス。
隣国エルディア公爵家の娘フィオナは、和平の証としてヴァルト帝国の皇帝レオニスへ嫁いだ。結婚の条件は三年。子を成さず、政治的役目を終えた時点で互いの自由を認めるという、冷たい契約だった。
皇后としての役目を果たしながらも、レオニスは彼女に触れない。優しい言葉も少なく、寝室は別。フィオナは、彼が自分を妻として望んでいないのだと理解していた。だから三年目の春、彼女は静かに離婚書類を差し出す。未成立の結婚だからこそ、彼の未来を縛らずに済む。そう思って。
けれど、レオニスの反応は予想と違った。彼は書類を破らず、捨てず、ただフィオナを見つめる。そして低い声で告げる。「白い離婚など認めない。まだ夫婦になっていないと言うなら、今から夫婦になればいい」
冷徹だと思っていた皇帝は、実はフィオナを守るために距離を置いていた。宮廷内の反皇帝派、和平を壊したい者たち、皇后を政治の駒として狙う影。触れれば彼女を巻き込むと恐れ、欲しいほど遠ざけていたのだ。
離婚協議のはずが、甘い再契約へ。フィオナが契約書を盾に逃げようとするたび、レオニスは理詰めと独占欲で彼女を引き止める。けれど彼の強引さの奥には、必ず彼女を傷つけまいとする手がある。フィオナもまた、皇后としてではなく一人の女として求められることに戸惑いながら、冷たい皇帝の孤独に触れていく。
白いまま終わるはずだった結婚は、甘く濃く塗り替えられる。最後にフィオナが選ぶのは、正しい離婚か、それとも自分を欲しがる夫の隣か。
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<作品詳細>
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文字数:35,118字
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契約結婚した冷徹皇帝に、白い離婚を申し出たら甘く押し倒されました
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